不動産投資で法人を活用するとはどういうこと?
不動産投資で法人を活用する
という話を聞いたことがあるだろうか?
法人?会社を作るということ?
難しそう…
という声もあるが、不動産投資をする上で法人を活用するメリットは結構多い
デメリットと併せて解説していこう!
まずは不動産投資でよく使われる法人の考え方の違いから
※なお、これらの法人の種類はあくまで不動産の観点から見たもので全て 株式会社でも合同会社でも可能な内容だ
不動産所有法人
一番わかりやすい形、法人が不動産物件を所有している

物件の所有者=法人
所有者への支払い元=管理会社(または入居者)
法人が収益物件を購入し、それを運用する形になっている
なので、家賃収入は直接法人に売上として入り
経費、減価償却、金利の支払いなどを終えたあとの利益が最終利益になる
不動産管理法人(サブリース法人)
物件は個人が持っており、その物件を法人がサブリースする形

物件の所有者=個人
所有者への支払い元=自身で作った法人
大東建託など、世の中には有名なサブリース会社がたくさんあるが
それのミニ版を自分の資産管理法人で担う形
ただ、オーナー個人の所有している物件を
オーナーが所有している法人で一括で借り上げ
オーナー個人にサブリースをまた戻しているため
営業実態がないと、利益を分散させた脱税と税務署から否決されるリスクもある
不動産投資で法人を活用して5期目の法人で思うこと
管理人の法人も早、5期目に入った
そこで5年間の経験を元に法人化して気づいたことや、わかったことを書いていこうと思う
事業実態を銀行に提示しやすい
法人は従業員が自分1人(代表者1人)だけだとしても別人格だ
よって、その法人で積み上げてきた実績はしっかりとした
経営実績になる
前の記事でも書いたが、銀行が個人と法人にお金を貸すのでは考え方が大きく違う
個人に貸す=給料から返せるか?借金取りの目線
法人に貸す=事業を応援する、銀行融資の目線
なので、法人で借り入れを起こした方が、金融機関からの支援を受けやすい
経費の自由度が高い
法人はあくまで目的が
利益を上げること
であるため、法人で使用された経費は利益を上げるために使われたと考えるのが当たり前
一方、個人の確定申告に計上される経費はあくまで個人に紐付くため
本当にこの経費いるの?ただの節税じゃないの?
と疑われやすくなる(と税理士が言っていた)
経費の自由度を上げるためにも法人にしよう!
B/S や P/Lの机上の数字とリアルの数字の感覚が分かるようになる
金融畑でない限り、多くのサラリーマンにとってB/SやP/Lは
・簿記を受けるのに勉強するもの
・社会人としての教養としてほしいもの
程度の立ち位置だが、法人を運営するとB/SとP/Lを読めることが必須になる
ある意味必要性に駆られて覚えなければいけないため、今までのぬるま湯勉強状態から
一気に実務まで含めて飛び込まなければいけなくなるので非常に面白い
決算が締まったあとに銀行へ法人の状況説明をするためにも決算書は読めなければいけないし、
実際の収支と会計上の収支で生じる思わぬ誤算から黒字倒産する可能性もある
※詳細は下記リンクに記載
それらを避けるためにも法人を作り1期目を迎え、最初の決算書が出てきた瞬間から
好きかどうかは別として一気にこの領域の理解を深まっていくことは間違いない。

不動産投資で法人化するメリット(サラリーマン大家)
さて、サラリーマン大家が不動産投資で法人を活用するメリットはなんなのだろうか?
わざわざ手間をかけて法人を作ってまでして手に入るメリットとは?
高所得サラリーマンは節税になる
これは年収1000万円以上のサラリーマンがターゲットになるが
なぜ不動産投資の法人化が節税になるのか?その鍵は
累進課税
にある
2021年現在、サラリーマンの税率は下記の通り累進課税になっている

引用:国税庁HPより
サラリーマンの最大税率は
45%
それに対して法人の税率は
利益800万円までで15%
利益800万円以上は23.2%の上限がある
大体上記に+10%の地方税を含めたものが法人への課税額となり
利益800万円までで約25%
利益800万円以上の部分は約35%くらいになる
年収900万円を超えたサラリーマンの税率が33%なので、法人化で税金を25%まだ抑えられたら旨みがある

引用:国税庁HPより
普通サラリーマンが個人で不動産を所有して収入を得ている場合・・・
年収500万円の人がさらに不動産所得で500万円を得ると
サラリーマン給料 500万 =税金:下記と合算
不動産所得(個人) 500万 =税金:174万円
で個人で合計1000万円となり、税率が上がってしまう
普通サラリーマンが法人で不動産を所有して収入を得ている場合・・・
ただ、サラリーマン給料500万円、法人で500万円だとそれが下記のようになる
サラリーマン給料 500万 =税金:57万
不動産所得(法人) 500万 =税金:125万
この場合税金は個人で57万、法人125万となり、合計税額が182万円
税金が+8万円増える
高収入サラリーマンが個人で不動産を所有して収入を得ている場合・・・
例えば年収1500万円の人がさらに不動産所得で500万円を得ると
サラリーマン給料 1500万 =税金:下記と合算
不動産所得(個人) 500万 =税金:520万円
で個人で合計2000万円となり、税率が40%台に上がってしまう
高年収サラリーマンが法人で不動産を所有して収入を得ている場合・・・
ただ、サラリーマン給料1500万円、法人で500万円だとそれが下記のようになる
サラリーマン給料 1500万 =税金:341万
不動産所得(法人) 500万 =税金:125万
この場合税金は個人で341万、法人125万となり、合計税額が466万円
税金が54万円減っている
これは完全に合法な手法だが同じ総所得2000万円でも法人を作れば節税になる
会社にバレにくい
会社は個人とは別人格と少し前に説明したが、
個人と法人では確定申告と決算とそもそもの税金の申告も異なるため、
不動産をやっていることが務めている会社にバレにくい
会社バレが怖い人はその観点で使ってみるのはあり
バレにくい理由としては法人から個人に役員報酬などを支払っていない場合
法人の収支は個人の源泉徴収には載らず、KMではすかえなそうです。
安定的な副業が確立できる
最近はサラリーマンの副業も流行っているが
手間のかかる副業が多いこと多いこと
筆者も
民泊、物販、ライター、メルカリ、ネット転売
など色々試したが
どれも不動産よりも手がかかりすぎる
当然事業として手間はかかるのは当たり前だが、
個人的には時給労働しているのであればサラリーマンが一番効率が良い
そうではなく、一度資産を作れば勝手に利益を生んでくれるところが不動産の魅力だ
相続税対策・子供に継承することができる
法人にしておくことで子供にその資産を引き継ぐ際に
その資産を所有している法人を譲渡することで簡単に資産の譲渡ができる
具体的には法人を設立し、将来その株式を譲渡していく方法などを取りたいと思っている
不動産投資で法人化するデメリット(サラリーマン大家)
法人設立時 手間がかかる法人設立
法人設立をするために下記の資料を準備する必要がある
(株式会社と合同会社両方設立しているが、どちらも同じく必要)
・定款
・代表者の印鑑届
・設立登記申請書
・印鑑証明書
・資本金の入金証明(資本金の振り込みの通帳コピーやスクショ)
・委任状(司法書士などの代理人に委任する場合のみ)
・登録免許税納付用台紙
上記を準備し(基本的に司法書士を使う場合は全部必要なものを教えてくれる)
法人設立のために筆者がかかった具体的な費用は・・・
・株式会社・・・259,000円
(内訳:登録免許税15万円、公証人費用5万円、定款作成他報酬費用5万+消費税他郵送費)
・合同会社・・・150,000円
(内訳:登録免許税6万円、合同会社設立報酬他7.7万円+消費税他郵送料等)
くらいの費用は司法書士の手数料含めてかかる
※実際は合同会社はもっと安く作れる・・・初めてで高いところに頼んでしまっている・・・
法人はランニングコストがかかる
法人が赤字でも黒字でも法人を維持するためにかかる費用がある
大きく分けて下記2つだ
・法人税均等割・・・7万円
・税理士費用・・・最低10-15万円
これからは会社を設立後毎年費用がかかるため、
無意味にやたらめったら法人を作ったらよいわけではない
良い物件に巡り合えて、融資も支店レベルで内諾が出たくらいで設立しよう!
銀行に「いつ法人を設立したらよいか」を聞くのが一番早いし、確実
不動産投資で法人化しない理由
個人と合算しても所得規模が大きくない
文中の「普通サラリーマン」と「高収入サラリーマン」に記載したように
法人を設立しても高属性サラリーマンでないと節税メリットを享受できない
※あるいは普通のサラリーマンだとしても、不動産収益が1500万円を超えるなど
よって、個人給与と不動産収入の合算が1500万円~2000万円くらいにならないと
年間にかかる税理士費用など含めて考えると法人を設立した方が損になってしまう
金融機関からあくまで個人への融資と言われた
これも実は多い・・・
あくまで銀行としては
「個人の資産形成を手伝っている」
のだから法人ではなく個人で借金をしてくださいということ
これは銀行によって基準が結構違うので、何行かアタックしてみよう!
基本的には銀行も上記個人の税金はわかっているので、
特にサラリーマン所得の高い人に対しては法人でのプロパーローンを
検討することが多いと感じる
不動産投資で資産管理法人を使う際のまとめ
法人化は非常に奥が深いので書くことはまだまだたくさんあるが、一旦まとめ!
基本的には法人を設立することで法人自体の使い道はたくさんあるので、
規模が小さいうちでも作ってしまったほうがよいと思う派であるが、リスクリターンを見て決めよう。
- 不動産を法人化するにも「所有法人」と「サブリース法人」がある
- 5期目の法人を持って思うのが「経営実態ができる」「経費の自由度が高い」「簿記の理解が一気に深まる」
- 法人化するメリットは「総所得1500-2000万円で節税効果が出る」「会社にバレにくい」「安定的な副業になる」「相続対策になる」
- 法人化するデメリットは「法人の設立費用」「法人のランニングコスト」
- 法人化しないケースは「所得規模が小さい場合」「金融機関から個人にしか融資しないと言われた場合」

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https://adventierra.jp/contact/
不動産投資が初めての方
下記に不動産投資の基礎知識一覧があるので
ここから少しずつ勉強していこう!
https://adventierra.jp/know-the-unknown/
参考
賃貸需要ヒートマップ
https://toushi.homes.co.jp/owner/
楽待サイト
https://www.rakumachi.jp/
健美屋サイト
https://www.kenbiya.com/